書類作成時に出てきた「貼り」と「張り」の漢字。どちらが正解なの?
現場事務で書類を作成している時に「あれ?これ漢字間違ってるんじゃないの?」と思ったことがありました。
それは、「貼り」と「張り」の使い分け。
「壁クロス貼り」だったり、「石膏ボード張り」だったり、統一されていないのです。
当時の私の認識では、「貼る」は平たい物を何かにピタッと貼りつける時の漢字、「張る」は糸状のものを引っ張る時に使う漢字、だったので、「張る」は間違いだと思っていました。
国語辞典で調べてみました
「張る」で調べると、このような書き方で説明されています。(引用『大辞林』小学館)
(「貼る」とも書く)のりなどでくっつける。「びらを—・る」
(「貼る」とも書く)板などを平らに並べてうちつける。「羽目を—・る」
(「貼る」とも書く)板などを平らに並べてうちつける。「羽目を—・る」
どちらも「貼る」とも書く、とあります。
あれ?ではどちらも正解なの?と思いませんか?
上司に現場での使い方を聞いてみました
そこで上司に聞いてみたところ、
建築業界では「貼る」は接着剤で建材を貼り付ける時、「張る」は接着剤を使わないで貼り付ける時に使う、とのこと。
あいまいになっている時もあるけれど、大体はこのような使い分けがされているそうです。
結 論
使い方 | 使用例 | 備考 | |
張る | 釘やビス、モルタルで貼り付ける | ボード張り、フローリング張り、ベニヤ張りなど | 常用漢字 |
貼る | 接着剤で隙間なく貼りつける | 壁クロス貼り、壁紙貼りなど | 常用漢字ではない |
このように、使い分けがされているのでした。
ちなみに『公共建築工事標準仕様書』では「張り」で統一されています。
理由としては、「貼る」という漢字は常用漢字ではないからです。
公共の文書では常用漢字が使用されるので、文書にする時は「張り」にしておけば問題ないでしょう。