基本の「き」の経理用語もわからなかった私の経験から「控除」をピックアップ。
(注:私は元請け側で勤務しているため、そちらからの処理を説明しています)
現場事務を始めたばかりの頃の出来事です。
「来月の請求書、〇〇工業から産廃処分費を控除しといて」
え?控除って何ですか??
当時の私は、経理や簿記の知識が全くない上に、工事のお金の流れも把握しておらず、「控除って何?」とポカーンとしてしまったのでした。
控除って言えば、年末調整の時に保険やら何やらで控除されるな、年末調整の次の月ぐらいの給与明細に-表示で記載される戻ってくる金額だなとか、それぐらいの知識しかなく。
そのため、「そうか、〇〇工業さんへ産廃処分費分を返すんだな」ととんでもない理解(いや誤解)を・・・
下請け業者から産廃処分費を控除するとは?
工事にかかった産廃処分費を元請けがまとめて払ったので、業者分を契約金額から控除するんだよ。
元請けが立替えた金額を業者さんに返してもらうのですね!
そうだったのか!(こんな誤解する人も珍しいかもですが・・💦)
〇〇工業からの請求書が100万円、控除金額が10万円
元請け ⇒ 〇〇工業へ支払う金額は90万円(100万円-10万円)
控除の手続きと流れ
では、控除金処理の流れを見ていきましょう。
今は、会社によってはすべて電子決済で行うところもあるかと思いますが、今回は紙の書類での流れを説明します。(書式は各社それぞれ)
①協議・合意
元請けと控除される下請け業者とで控除金額の打ち合わせをする。
②書類送付
下請け業者に、控除金額を明記した「控除金の確認書(明細書)」書類を送付
③確認、サイン
下請け業者から確認書類にサイン・押印した確認済書類が返送されてくる
④処理
控除金の書類を作成し、経理部門へ提出する
なぜ控除が発生するのか?
後で控除しなくても、業者さんが産廃会社に支払いをすればいいんじゃない?。
産業廃棄物は、元請け会社が排出事業者として責任を有するんだよ。
業者さんが別個に契約したらいけないの?
平成22年改正の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成23年4月1日施行)」で、廃棄物の処理責任が元請業者へ一元化されることが決まったんだ。
土木建築に関する工事(以下「建設工事」という。)が数次の請負によって行われる場合にあっては、当該建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理についてのこの法律の規定の適用については、当該建設工事の注文者から直接建設工事を請け負った建設業を営む者(以下「元請業者」という。)を事業者とする。
まとめ
建設工事に伴い生ずる廃棄物については、元請業者に処理責任を一元化する、ということ。
従って、「控除」が発生する、というのは、下請け業者は個別に産廃処理会社と契約できないため(例外規定もあります)、元請け会社がまとめて処分費を支払ったうちの下請け業者分を控除するということ。
契約内容や、産廃物の量、工事の形態等々で、控除が発生しないこともありますが、もし控除が発生したら上記の事を頭においておくと、仕事の流れが明確になって処理しやすいと思います。
今回は、基本中の基本なのに私が最初につまづいた「控除」の話でした。
手元において時間がある時に勉強しよう〜。