以前、建築用語で「貼る」と「張る」の使い分けについて記事を書きました。
この他にも、はっきりしない言葉があったのです。
今回はそれについて書いてみます。
それは「あなあけ」の漢字!
あまりに色々なパターンの漢字が使われていて、全く統一されていないのです。
職場内でも、人それぞれ違っていて、書類を作成する際に何だかもやもやするなあと。
「あける」の使い方
まず、「あける」という用語の意味を調べてみました。
(引用:デジタル大辞泉(小学館))
意 味 | 対義語 | 一言で言うと | |
---|---|---|---|
明ける | あるひと続きの時間・期間・状態が終わって、 次の時間・期間・状態になる。 | 暮れる | 明るくなる 明らかになる 片が付く |
空ける | 今までそこを占めていたもの、ふさいでいた ものを、取り除いたり、なくしたりする。 | 塞ぐ | 穴を作る 空にする 隙間ができる |
開ける | 隔てや仕切りになっているものを取り除く。 閉じていたものを開く。 | 閉める | 開く 開ける |
これを見ると、空ける、開けるが該当しそうです。
「穴」と「孔」の違い
次に「穴」と「孔」の違いを見てみましょう。
意味 | 現場で使われる用例 (あなあけ以外) | |
---|---|---|
穴 | 反対側まで突き抜けている空間 深くえぐりとられたところ くぼんだところ | だめ穴 ばか穴 |
孔 | 反対側まで突き抜けている空間 深くえぐりとられたところ くぼんだところ | 穿孔(せんこう) 有孔管 孔食 |
なんと、意味はどちらも同じ!
書籍などでの使用例
公共建築改修工事標準仕様書 (電気設備工事編) | 第2章 2.11.3 穴開け及び補修 |
公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) | 7-3-8.(a)〜鉄筋貫通孔で板厚が 13mm 以下の場合は,せん断孔あけとすることができる |
一級建築士過去問題 (2019年) 学科5(施工)問114 | 高力ボルト孔の孔あけ加工をレーザ孔あけとした |
ううむ、公的なものでも使用する漢字が違っている・・
しいて言えば、この電気設備工事(2.11.3)での穴開けは配管の貫通の穴。
鉄筋よりも径が大きいと言えるでしょうか?
その後の2.12.3ではドリルを使用する穿孔作業の項目があります。
また、孔あけを使用する時は、「せん断」の穴開け、「レーザー」の穴開けと修飾表現の形になっているのも気になります。
もしかして「孔あけ」は単独では使用しないのか?とか。
結論
ここまで見てきて、結局正解はどれなのか!という結論が出せませんでした。
一般的には穴よりも孔の方が径が小さいイメージがありますね。
ドリルやレーザーを使って貫通させるものは「孔」とか?
ただし、仕様書や建築士試験に「孔あけ」「穴開け」が使用されているので、どちらかを使えば間違いはないかと思われます。
この件に関しては、今後も調べてわかったことがあれば追記していこうと思います。