芸術の秋到来です!
美術品を観るのと並行して、美術館の空気を楽しむのも鑑賞の醍醐味。
どこの美術館もそれぞれ個性があり素敵ですが、その中でも特に空間構成が気に入っている千葉県の美術館を2つ紹介します。
2010年に開館した日本初の写実絵画専門美術館です。
千葉市の郊外にある外房線土気駅。
駅を降りて住宅地を抜けていくと、広大な昭和の森公園の入り口あたりに唐突に現れる「非現実的」な建物にびっくり!
「日本建築大賞」「千葉市都市文化賞2011」「千葉県都市文化賞」を受賞した建物は、外から見ると中がどんな風になっているのか想像もつきません。
宙に浮いてる巨大な折りたたまれた鉄板みたいな部分や、箱が重なっているような部分もあって何が何だか・・
館内に8つあるギャラリーのうち、最初のギャラリーは圧巻です。
約500mあるというゆるやかなカーブのある展示室。
両側に展示されている窓側の部分の下部は二重構造のガラスになっていて、自然光が入り、公園の景色も見えるので森の中で鑑賞しているよう。
(参照元:ホキ美術館HPより)
そこから地下の展示室に降りていく構成なのですが、部屋の大きさも異なり、壁もコンクリートになり、なんだか深海のような、秘密の地下室のような不思議な空気感です。
展示物の写実絵画がまた、シュールな雰囲気をアップさせてくれます。
写真と同じじゃないか、と思うかもしれませんが、やはり写真とは違う。
写真が瞬間の切り取りだとしたら、写実絵画はその前後の空気が漂っている気がします。
絵の奥に流れる時間が長いというか・・
写実絵画でも、人物画や風景画、静物画等多彩で、1枚1枚その世界に浸っていくのは至福の時間です。
こちらは千葉市のお隣、市原市にある「市原市水と彫刻の丘」が、2013年8月にリニューアルした新しい美術館です。
美術館から高滝湖を臨む素晴らしいロケーション。
コンクリートむき出しの構造で、建物そのものがアートだ!という雰囲気が。
内部はぐるぐると歩き回らせられる感覚で、あっちの部屋、こっちの部屋、階段を上ったり降りたり、という面白い構成でした。
階段〜屋上に展示されている金属のチューブは、その中に入ってかき分けて進むことができ、さわれるアートになっていて楽しかったです。
敷地内には、高さ28mの藤原式揚水機を模した展望塔があり階段で登れますが、体力に自信のある人向け💦
また、芝生の庭のあちこちには、アート作品が点在しています。
そして、この庭に評判のピザ屋さんがあるんです!
湖を眺めながらいただけるオープンスペースの立地が素晴らしいお店。
テレビでもよく特集されるようで、大評判らしく前回行った時は満員であきらめました。
機会があったら是非行ってみたいと思います。
ホキ美術館、市原湖畔美術館と、どちらも自然豊かな環境の中にある気持ちのいい美術館です。
都心の美術館のように大混雑ということもないのでゆっくりと鑑賞できますので、ぜひぜひ。